アカササゲ(赤大角豆)

 
 
   

都道府県別レッドデータ(2021) アカササゲ 

・分布 :九州(長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島)台湾、朝鮮半島、中国
・生育地:川岸の草地や林縁に生える。
・花期 :9~10月
・草丈(ツル性) :2~4m

・特徴 : ツル性の多年生草本。葉は3小葉で頂小葉は狭卵形で全縁、鋭尖頭である。腋生の偽総状花序で、長さ10~20cmの長い花序柄があり上部に2~4個の花をつける。 花は淡赤紫色~褐紫色、長さ幅ともに25~30㎜で大きい。萼は褐色の剛毛があり、萼裂片は狭卵形で萼筒と同長である。竜骨弁の先端はやや長く伸びて嘴状になるが回転せず距は短い。 花柱の先端は嘴状に伸びない。豆果は線形、長さ8~11cm、10~16個の種子が入る。
・名前の由来:ササゲ(大角豆)は①莢(豆果)が上を向いて付く姿が物をささげる手つき似ていることから。②豆の端が少し角ばっているこから。③莢を牙に見立てササゲ(細々牙)とよんだことなどに因んでいる。 またアカ(赤)はアカササゲの花が淡いピンク色を帯びることによる。

生育環境 (2008/9/10 長崎県 対馬市)

 道路沿いの小川の土手に生育して開花している個体。大型の3小葉はクズの葉で、アカササゲの葉は同じ3小葉でも小さく、イラクサ科のヤブマオに茎を巻き付けて開花している。

 
     

花と蕾      (2008/9/10 長崎県 対馬市)

 前画像の中央部の花を拡大した画像で、マメ科植物の特徴的な蝶型の花で花弁の淡赤紫色が上品できれいである。多数の蕾が見られるが、半月刀のような形状と花と異なり赤紫系の色を含まない淡緑色であるのがおもしろい。

葉・花・蕾・子房 

 3小葉の葉が見えるが、この葉には白い斑が入ってなく緑色一色である。花と蕾と一緒に、咲き終わり受粉し結実したばかりの小さい子房がわかる。これから子房が鞘となり大きく伸びて10cmほどの線形の豆果となる。

斑入りの葉 

 3小葉の葉に斑が入っているが、これもアカササゲの特徴のひとつであるが、前画像のように斑入りでない葉も見られる。

花の拡大図 

 濃淡のある赤紫色の花で微妙なグラデーションもみられ気品が感じられる。花の中央にある黄色と紫色で構成されるネクターガイド(蜜標)は 花粉媒介昆虫を誘うためのものであるから、アカササゲはソラマメみたいな自家受粉ではなく虫媒花のようである。

花の名称 

 竜骨弁はねじれ、左側の翼弁と共に上を向いている。花の大きさは長さ、幅ともに25㎜~30㎜で大きい。

メダケ(女竹)に絡むアカササゲ 

 メダケに茎を巻き付けて伸びている個体。葉は斑入りと無地の緑色の2つがあるのがわかる。

生育環境(2012/11/24 福岡県 北九州市) 

 同じマメ科のクズやイラクサ科のヤブマオなどの植物と生存競争をしているようにみえる。さらにこの場所は道路沿いでもあり、除草作業で刈られるたり、除草剤による枯死も心配される。

群生  (2008/9/10 長崎県 対馬市) 

 多数の花が見られ、群生状態である。花は腋生の偽総状花序で長さ10~20cmと長く上部に2~4個の花をつける。

雑感:マメ科植物は世界で750属約2万種で科別では第3位に種が多い科らしいが、納豆や豆腐のような食材として科の印象が強い。私の好きなアンコの原材料であるアズキ(小豆)もササゲ属のヤブツルアズキが 原種らしい。ノアズキ(ノアズキ属)やヤブツルアズキ(ササゲ属)は花の色は黄色であるが、花の形はアカササゲとよく似ている。アカササゲの花は淡赤紫色でノアズキやヤブツルアズキより大きく、群生して 咲いている様子はとても優雅である。