・分布 :北海道
・生育地:北海道の夕張岳から日高山地の1500mを越す高地の岩礫地や崩壊地。
・花期 :6月~8月
・草丈 :7~16cm
・特徴 : 多年草。葉は厚質、両面無毛、長楕円形で縁に浅い鋸歯があり先は丸い。花冠は4裂し雄しべ2個と1個の雌しべがが花の外に突き出る。茎の先に総状花序の花を多数つける。
・名前の由来:エゾ(蝦夷)は蝦夷地とよばれる北海道、ミヤマ(深山)は山深い高山を表し、クワガタ(鍬形)は扁平な果実にⅤ字形状につく萼片の様子が兜とその前にある角状の飾りである鍬形に似ていることに由来する。
標高1500mほどの蛇紋岩質の地肌がむき出した崩壊地の砂礫地の斜面にユウバリアズマギク、シソバキスミレなどと生育していた。
総状花序に多数の花をつけているが草丈は15cmほどと小さい。
前画像の花序の部分の拡大画像。クワガタソウ属の特徴である花冠は4裂し、上側の1裂片は他の3裂片より大きく、雄しべ2本、雌しべの花柱は細く、柱頭はわずかにふくらんでいる。
葉は厚く両面無毛、葉表は濃緑~紫色、葉裏は紫色、形状は長楕円形で縁に浅い鋸歯があり、先は丸い。
前画像の花序の拡大画像。萼は深く4裂し、萼裂片の先はやや鋭頭である。花冠の淡白紫色の裂片に中央から放射状に伸びる赤紫色の条線が血管のようでユニークである。
前画像に雄しべの数を付記したもの。普通はクワガタソウ属の雄しべは2本であるが、この個体の雄しべは3本(左側上)、4本(画像中央下)、2本(右側上)と異なっている。
砂礫地に群生している集団。点々と数個体がかたまって開花している個体が多かった。
雑感:昆虫のクワガタとよく間違えられるクワガタソウの仲間で、名前がユニークなので名前だけはよく知られている。高地の崩壊した地肌がむき出しの傾斜のある砂礫地で観察したが、背丈が低く草体のわりには
大きな紫色の花を多数つけた草姿は気品があり惹きつけられた。
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