・分布 :北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国東北部、樺太、東シベリア
・生育地:日当たりの良い山野の草地や岩場
・花期 :8~10月
・草丈 :30~150cm
・特徴 :二年草で、茎はやや紫色を帯びた緑色で、縦の稜線があり、上部で分枝して、多数の頭花をつける。葉は下部では羽状に深裂するが、上部では互生し披針形で全縁となる。
花は散房花序で、茎の上部が分枝して多数の紅紫色の頭花をつける。
・名前の由来:ヒメ(姫)は「小さい」の意味である。ヒゴタイはヒゴタイ属のヒゴタイ(平江帯)のことで、つまり、「小さいヒゴタイ」に由来するが、ややこしいのはヒメヒゴタイはトウヒレン属に分類されていることである。
学名のpulchellaは「愛らしく美しい」の意味で、saussureaはスイス人登山家の名前である。
この自生地は日当たりの良い東南向きの石灰岩地の斜面で、海からも近い場所であり、散房花序の淡紅紫色の頭花は筒状花である。
数個体が群れて咲いており、最大のものは草丈1.5mほどの大きな個体である。これくらい密集して咲いていると壮観である。
過去に石灰岩を採取した跡があり、背景に大きな石灰質の岩が見えクズ、ノイバラ、セイタカアワダチソウ、木本のピラカンサなども進出していた。
散房状に多数が密集してつく淡紅紫色の頭花の径は10~16mm、花柄は長さ10~35mmである。総苞は広鐘形で、総苞片の上部に淡紅紫色の花弁状の膜質の付属体がつく。
蕾の状態でも、淡紅紫色の付属体が花弁のように見えて、あたかも開花しているように見える。筒状花の構造はアザミとよく似ている。
この場所は石灰岩地帯の岩場の斜面で、日当たりがよい乾燥地であるが、ヒメヒゴタイはこのような厳しい環境に適応している。
また画像から、葉は下部では羽状に深裂し、上部では互生し披針形で全縁となっているのがわかる。
冬季の枯れて成熟した頭花で、冠毛を持った痩果を風で散布しようとしている。
2つの枯れて最後に、痩果を飛ばすだけになった個体。2年草であるため枯れるのは仕方がないが、なんとなく風情がある。
枯れた葉とまだ枯れていないが精気のない葉を地面に広げて、冬を過ごしをしている。中央には、銀白色の新しい葉が覗いている。
順調に育った比較的に大きな3株のこれから先始めようとしている個体。鑑賞するにはこの時期が精気が感じられて好ましい。
雑感 :広島県の開発が進んだ島嶼部にあるこの自生地は石灰岩の岩場にあることから、耕作不適地としてほそぼそと残ったものと思われる。付近には、石灰岩地に多いキビヒトリシズカ、シロバナハンショウヅル、コクサギやヤマアイなども見られ 大切に保護したい場所であるが、過疎化でクズ、ノイバラやアカメガシワなどが侵入して環境が悪化している。ヒメヒゴタイは草丈も大きく、淡紅紫色の花を多数つけ、さらに蕾から楽しめる観賞価値の高い花で、トウヒレン属に含まれるのも面白い。