・分布 :本州(島根)
・生育地:人里近くの丘陵や山地、墓地や神社
・花期 :3~4月
・草丈 :10~15cm
・特徴 : 地下の鱗茎は小型で白色の球形になり、2個の半球形の鱗片からなる。葉は5個あり、葉身は披針形から広線形で、長さ3~6㎝、幅1~2cm程。下部では対生し、上部では3輪生する。茎は細く軟らかく、高さは10~15cmになる。
花は広い椀状鐘形で6個の花被片からなる。花被には紫褐色の条線が見られる。
・名前の由来:「母貝」は地下の鱗茎が2つに分かれており、この鱗片の間から茎が出て成長することから鱗片を2枚貝に見立てて、母貝(バイモ)とよばれる。
イズモは生育地の出雲地方に由来する。小種名の「ayakoana」はこの種の発見に貢献した人物の名前「丸山絢子」に因んでいる。
スプリング エフェミラル(春の妖精)とよばれる春植物の仲間で、春先に花を咲かせ、夏には地上部が枯れ、 翌年の春先まで地中の鱗茎で過ごす多年草である。
イズモコバイモは1979年に発見された比較的に新しい種で、それまではホソバナコバイモと混同されてた種である。自生地の一角である川本町では町文化財に指定して
保護している。県道に面した崖地の斜面が保護地であるが、ここだけではなく、周辺にも生育地は点在している。ここでの印象は里山の優しい植物であるが、同地方の山地にも自生しており
こちらは自然度が豊かでたくましさを感じる。
カイコバイモはよく似た広い椀状鐘形の花であるが、カイコバイモと異なり、柱頭は顕著に3分せず、花柱にも細かい突起がある。葯はクリーム色。蜜腺が花被片の基部にある。
ここは標高も少し高く、人里離れた山地であるが、単葉の幼苗も見られ群生していた。
花被の内側の紫褐色の条線のほうが、外側よりも濃く見える。
葉の表面に白い斑紋が入る個体がある。
雑感:イズモコバイモを初めてみたとき、細い筒上で花被があまり開かないホソバナコバイモに対して、椀状鐘形で広く開く花は何とも言えない清楚な優雅さを感じた。
保護地では、初期の頃に比べて個体数が増えているように見えるが、草丈の小さいこともあり、草の繁茂や樹木による日照条件の変化などで減少することが心配される。