・分布 :本州(山梨)
・生育地:赤石山脈(南アルプス)の最高峰北岳山頂付近の石灰岩質の風衝草原に生育する。
・花期 :8~9月
・草丈:15~35cm
・特徴 :北岳(3192m)の山頂部の高山草原に生育する疑似1年草。茎は直立し、中部でよく分枝するが枝はあまり伸長しない。茎葉の葉身は腎円形、長さ、幅共に3~8cm、3深裂し、裂片はさらに羽状に深裂する。
花は青紫色、枝の先に散房状~総状花序に2~6個つくか、単生する。花柄には屈毛がある。果実は袋果。
・名前の由来:北岳(キタダケ)固有のトリカブト属の植物であることに由来。
山頂部の高山草原に生育している草丈約30cmの個体で、散房花序で青紫色の花をつけている。
石灰岩質の大礫が転がっている斜面に根を下ろし大礫の隙間から茎を約5cmほど伸ばして2個の花を咲かせている個体。茎と葉柄は赤褐色で葉はくすんだ緑色である。
多くのトリカブト属の開花した個体をを見てきたが、この株が最も草丈が低い個体である。草丈は低いが2個の青紫色の花の大きさは普通の大きさの変わらないので、帽子をかぶった小人のように見えて可愛い。
株の前の大礫を1個取り除き、株元を撮影した画像であるが、根生葉らしき葉が1個確認できたが、株元はさらに10cmほど下のようであった。風衝地の大礫が転がる斜面で
生育には厳しい環境であり生命力の強さを感じる。
高さ約20cmの小形の株。散房状に3個の花をつけている。
岩陰に育つ高さ約20cmの個体の近接画像である。長さ約3.5cmの大きな青紫色の花に惹きつけられる。
高さ約15cmの白色に紫色を帯びる花であるが、下萼片を失くしている隣の青紫色の花との対比がおもしろい。
この個体の茎葉は腎円形で、3深裂し、裂片は羽状に深裂している。
マルハナバチの仲間が白色の花を訪れようとしている。人間には強力な毒であるアコニチンなどのアルカロイドを花粉も含んでいるようであるが、訪花昆虫には無害であるのは進化の賜物のようである。
雑感:トリカブト属は変異が強くて、種の境界が明らかでない分類の困難な群と言われているが、・北岳山(3192m)の山頂部付近の高山草原に自生している。・草丈が35cmより小さい、・散房状に花がつくか単生する、・花柄や上萼片に屈毛が生えることからキタダケトリカブトとした。葉についてはいずれも葉身は腎円形であるが、3深裂で切れ込みの深い裂片の葉と5深裂に近い葉もあり、葉だけでの判断は困難だった。