・分布 :本州(伊豆諸島、紀伊半島)四国 九州 沖縄 台湾 中国南部
・生育地:暖地の常緑広葉樹林内の渓谷や沢沿いの木漏れ日が当たるような場所の樹木や岩石に着生。
・花期 :6~7月
・草丈 :5~8cm
・特徴 : 赤褐色の楕円体(長さ1~2.5cm、直径0.5~1cm)の偽鱗茎が複数個連なり、春になると昨年の偽鱗茎の付け根から新しい偽鱗茎が出て成長し、その頂部から2個の葉がでる。葉は長楕円形(長さ3~8cm、幅1~2cm)で、葉先は尖頭である。冬季は葉を落として、偽鱗茎だけ残る。
花茎は葉より短く、2個の葉の中央から出て、花茎の先に1~2個の半開の花をつける。花は縦横の長さ1.5cmほどの大きさで、黄色地に赤色のにじみがある唇弁を除いて白色である。
・名前の由来:偽鱗茎が多数横に連なった様子が機織りの筬(おさ)に経糸を通した状態に似ていることから。
常緑広葉樹林の 原生林が残る狭い渓谷内の倒木に着生している個体であるが、木が倒れる前は5mほどの高さの樹幹に着生していたと思われる。
花は直径1cmほどと小さいが、白色の萼片や側花弁に囲まれた中央に、黄色と赤褐色の唇弁がよく目立ち、とてもきれいである。
ヒバリが空に舞い上がり、羽ばたきながらさえずっているのを連想させる造形で、ユーモラスである。
花は直径1.5cmほどで、萼片と側花弁ともに白色で、唇弁の中央裂片は黄色地に赤褐色の滲みがありよく目立つ。この色の配置は花粉媒介昆虫に対する蜜標識になっていると思われるが、どんな昆虫か見てみたい。
側萼片の基部は数ミリ伸びてメンタム(顎)をつくる。画像の中で、蕾状態の花で顕著にメンタム(顎)がわかる。苞は薄い白色の半透明で狭卵形で長さ3~4㎜である。
秋季の葉だけの個体、これから冬に冬に向かって葉を落として、いわゆるバルブだけになる。この個体は着生した大木が小さな谷を跨ぐように倒れ枯れたもので、高い湿度のためかコケや他の植物が繁茂してきており、
バルブや葉が埋まり生育が危ぶまれる。
この場所は川幅5m程の浅くて、緩やかな流れの辺にある直径40cmほどの常緑広葉樹の樹幹の地上高1.7m程の所にマメズタランとともに着生していた。これから暖かくなると昨夏のバルブから出芽する。
雑感:近くで見ると2個の瑞々しい葉の間から出た花茎の先に咲く、白地の中に唇弁の黄色と赤褐色がよく引き立つ花は小さいが、魅力的な花である。花の開花期間が2,3日と短くまた、高所に着生する場合が多いので生育地でも
間近に開花している個体をじっくりと観察できる機会は少ない。