・分布 :山梨・静岡・長野 (南アルプス・八ヶ岳)、亜種は中国高原地帯、モンゴル、東シベリア
・生育地:南アルプス、八ヶ岳の高山帯の日当たりの良い砂礫地、岩稜地の草地。
・花期 :8月~9月
・草丈 :2~15cm
・特徴 : 全体に無毛な一年草または越年草。茎は赤みを帯び基部からよく分枝しする。葉は対生し長楕円形または広披針形葉先はややとがり基部は互いに接し主脈はへこむ。萼は5裂し花筒部やり短い。
枝先に1個ずつ花をつける。花冠は長さ1~1.5cm、花筒部は太い円筒形、裂片は5個あり卵形鈍頭、淡紫色で紫色の斑点があり、毛状に裂けた白色の内片が喉部をおおう。果実は蒴果で柄がなく花冠に包まれる。
・名前の由来:サンプク(三伏)は最初に発見された南アルプスの三伏峠に因み、リンドウ(竜胆)は中国で苦いといわれる熊胆よりさらに苦いことから竜胆と表記され、この中国語の発音がリンドウと古い日本で
解釈され、由来となっている。
標高3000mほどの日当たりの良い岩稜の礫地に生育していた。茎はよく分枝して赤みを帯び、枝先や葉腋から花柄を伸ばし花をつけている。
茎元からよく分枝し先に蕾や花をつけている。
画像左上のようにふつうのサンプクリンドウの花は淡紫色であるが、右下のような白花も稀にある。
前画像の左上にある淡紫色の花の拡大画像
前々画像の左下の白花の拡大画像。5個の花冠裂片は白色であるが、花筒の中央に向かって密度が高くなる斑点の色はふつうの花と同じ紫色である。また、
ふつうの淡紫色の花の茎の色は赤みを帯びているが、白花の茎は赤みの色が極端に薄いようである。白色の花であるためか、ウメバチソウを思い出す。
草丈5cmほどの花冠裂片が白色の小さな個体。3000mの厳しい環境で咲く姿は健気である。
ふつうの花冠裂片が淡紫色の花の拡大図。裂片の紫色の斑点が中央の花喉部に近いほど密度が高くなっている。淡紫色の裂片に紫の斑点を散りばめた整った5角形の花冠は調和の美がある。
サンプクリンドウの特徴である花の喉部をおおう白色の内片が毛状であることがわかる。
5個の紫色の花が横並びで咲いているが、左から4個めの花がサンプクリンドウで他の4個はアカイシリンドウである。アカイシリンドウは花冠裂片が4個で花筒内部が見えるのに対して、
サンプクリンドウは裂片が5個で白い内片で花筒内部が見えず、花冠の大きさも小さい。
落石か動物にかじられたか、何らかの原因で真中に伸びる主茎が折れてなくなり、分枝の先に花をつけている。
雑感:サンプクリンドウの名前の由来の三伏峠(2580m)は50年ほど前に大鹿村塩川ルートで塩見岳(3052m)に登ったときにキャンプした場所で、南アルプスの奥深さを感じた峠である。サンプクリンドウは北海道の高山帯に咲くリンドウ属のリシリリンドウと同じく花筒の喉部をふさぎ、ふつう花筒内部の柱頭や雄しべは見えない。ただし、前者が毛状に裂けた白色の内片でふさぐのに対して、後者は花冠裂片の副片でふさぐ。淡紫色の花冠裂片の中心に毛状に裂けた白色の内片が喉部をおおった花はとても見入ってしまう。
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