・分布 :本州(太平洋側:伊豆半島以西、日本海側:京都府以西)、四国、九州、奄美大島、台湾、中国大陸南部
・生育地:深山の谷間や渓流沿いにある大木の苔むした樹幹に着生。
・花期 :7~8月
・草丈 :20~50cm
・特徴 :樹幹に着生する常緑性の小低木。茎は細長く樹幹に着生するコケの中を這い、長さ20~50cm、太さ2~3mm、灰褐色で無毛。 葉は対生、または3~4枚が輪生し、葉身は厚い革質でである。長さ2~7cm、幅0.6~2cmの長楕円状披針形
少数の尖った鋸歯がある。上部の葉腋に白色~淡紅色花を1個つける。果実は蒴果で、長い線形で長さ4~7cm、幅2.5㎜で熟すと裂ける。ゴイシツバメシジミの食草として有名である。
・名前の由来:同属の台湾に自生するタイワンシシンランの中国名は「石吊蘭」または「吊石苣苔」で、苣苔はイワタバコ科を表す。シシンランの生態が岩場や樹木から吊り下がって着生していることからきている。
自生地は渓谷沿いの林中で、強風により倒れた大木に着生している個体である。シダの中に茎をのばして、多数の花や蕾が見られた。光沢のある輪生した深緑色の葉を背景に白地に淡紅色がのった大きな花はとても上品であり、
ラン(蘭)という文字が和名に含まれるのうなずける。
茎は細いが木本に分類され、岩や大木に着生する常緑小低木で、ここでも枯死した大木の樹幹から茎を垂れて、葉先に2個の淡い紅色が少し混ざった白色の花をつけている。葉は常緑で革質、縁には少数の尖った鋸歯が見られ、茎の先端部では輪生している。
小さく膨らんだ蕾や枯れた花が見られるが、他に、開花している花の奥の方に昨年の蒴果が熟して、胞背裂開し2片に分かれ、さらに2裂して枯れているのがわかる。
上部の葉腋に淡紅色の花を1個つける。花冠は筒状で長さ3~3.5cmで、先は浅く5裂する。花の内部は白色でよく引き立ち、花粉媒介昆虫に蜜の在りかを教えているように見える。<みき/P>
雄しべは2本が長く、2本は退化して短く、この画像では2本の長い雄しべが見える。花柱と退化した雄しべは見えない。花の形がよく似ているツリフネソウと同じく花粉媒介昆虫はマルハナバチ類やスズメガの仲間なのだろうか。
渓谷沿いにある直径50cmほどの大木の苔むした樹幹に着生するシシンランの群落である。7月半ばであるが、花はまだ開花していなかったが、渓流と着生植物の緑が調和して神秘的であった。
光が当たる方向を中心に群生し、暗い樹幹の裏側には見られない。シシンランの生育条件は日光、通風、湿度、大木や岩の着生対象、根を伸ばすシダ・苔類、ツル性植物との競合などで、自生条件の難易度がかなり高いように思える。
渓流の近くの倒木で地面から低い位置にあり、観察できた。付近にも子株が点在しており、やや薄暗い環境で、白い花はよくめだっていた。
雑感:シシンランといえばゴイシツバメシジミの食草として有名である。最初はゴイシツバメシジミは花粉媒介昆虫で、シシンランとは共存関係と思っていたが、幼虫は花、蕾、若い果実を一方的に食べるだけで、受粉には関係していないようで何か残念な気持ちになったことがある。
しかし、現在ではかなり希少な植物であるが、その昔は食草に選ぶぐらいだから、シシンランも普通に見られたのであろうか。