・分布 :本州~沖縄、朝鮮半島、中国、台湾、東南アジア、フィリピン、インド、オセアニア
・生育地:水田や浅い湿地。
・花期 :7~10月
・草丈(匍匐):5~20cm
・名前の由来:ハコベ(繁縷)は日本最古の本草書「本草和名」に波久部良(はくべら)として記載されており、これが転訛してハコベ(繁縷)となった。スズメノ(雀の)はハコベ(繁縷)にくらべて、小さいことからきて
おり、スズメノハコベ(雀の繁縷)と命名された。
・特徴 :1年草。茎は細く無毛で、匍匐し多数分枝する。葉は小形で対生、無柄で基部は茎を抱き狭楕円形~広線形、長さ2~5㎜、幅1~2mm、全縁でやや厚い。花は無柄で葉腋に1個ずつつく。
萼は筒状で5稜あり長さ約2.5㎜、萼歯は5個、三角状卵形でまばらに腺毛がある。花冠は淡紅色、やや鐘形で、長さ2mmで萼と同長。花冠の先端は4裂、上唇弁は短く立ち上がり、下唇弁は3裂する。
雄しべは2本、蒴果は卵形で萼より短く長さ約1.2㎜。
北東に開けた、中央に川が流れる小さな谷あいにある標高約100mほどの水田に生育している。花崗岩が風化した里山の麓にあるこの水田は土壌が乾きにくい湿田で、ホシクサ、ミズマツバ、ミゾハコベ、ウリカワ、アメリカアゼナなども生育している。
スズメノハコベが群生状態で生育している。数株が生育していると思われるが、葉が小さいため、細い茎だけが重なり合って勝手気ままに好きな方向に伸びているように見える。
1年間の生活史では初期の生育期は水中葉で、夏から秋の結実期は水上葉であり、葉の形も少し異なる。
茎の径は1.5㎜~2mmで細く匍匐して分枝し、茎は長く約20cmにもなる。
手前の規則正しく並んだ稲の株から稲刈りのあと20cmほどの葉が伸びている水田がスズメノハコベの生育地である。水田の中央部には少なく、左側水路との縁や上方の水田の石垣との境界付近に多く見られる。
最奥には里山の麓の林、その下には、収穫前の黄色の水田、脱穀した後のもみ殻があり、秋を感じる。
株元(茎の基部)の近接画像であるが、分枝が多くどれが最初の茎の基部か特定しにくい。
葉は小形で対生、無柄で基部は茎を抱き狭楕円形~広線形、長さ2~5㎜、幅1~2mm、全縁でやや厚い。花は無柄で葉腋に1個ずつつく。
花冠は淡紅色、やや鐘形で、長さ2mmで萼と同長。花冠の先端は4裂、上唇弁は短く立ち上がり、下唇弁は3裂する。雄しべは2個。
花は花冠は早く朽ちて無くなり、萼だけが残った花が目立つ。萼は筒状で5稜あり長さ約2.5㎜、萼歯は5個、三角状卵形でまばらに腺毛がある。
画像の中央部下にホシクサがみえる。ホシクサが生育するような1年を通した伝統的な水位管理を行い、さらに除草剤も使われていない湿った水田であることがわかる。
花冠が朽ちた2個の花があり、上方は萼筒と腺毛のある萼歯5個に囲まれた中に1個の花柱と黄色の花粉が付着した柱頭が見える。
下方は萼筒の中に球状の果実(蒴果)がみえる。蒴果は卵形で萼より短く長さ約1.2㎜である。
スズメハノハコベから少し離れた水田に同じ環境に生育する1年草のミゾハコベが見られた。大きさや匍匐する様はとてもよく似ている。
1年草のスズメノハコベは種子を多くつくる必要があるが、花粉媒介昆虫をほとんど見ないので自家受粉が主体であると思われる。
雑感:耕地整理され乾田となった田んぼや除草剤にきわめて弱い性質のため除草剤を使用する田んぼには見られない。そのため、初めて見たのは典型的な
小さな谷あいの山里の古くからの田んぼであった。その集落には耕地整理されていない田んぼが多数あったが、不思議とスズメハコベが見られたのは互いに隣接した3枚ほどの
田んぼだけで、残りの多数の田んぼには見られなかった。稲作に適応した生活史をもち、田んぼと共に生きながらえてきた植物で、被害の小さい水田雑草であることから今後とも細々とでも生育してほしい。